金のきのこが
海を渡り、青年の故郷へ帰ってくると
それはそれは大変でした。
すぐに落ち着ける住処をつくらなくてはならなかったからです。
♪
さいこう、さいこう、もう最高。
この地はなんだか 気が合いそう。
ところかしこに菌がいる。
人と菌が仲良しな場所。冒険は、最高だ。
♪
そんな歌を歌いながら、
きのこの言う通りに、
富士山の水やサトウキビの搾かすを入れて
土をつくりました。
「んー・・土はいいが 寒くて乾燥してたまらない。
なんとかしてくれ」と金のきのこは言いました。
どうしたものか、と困っていると
昔おじいさんが 残してくれた、はなれの小屋を思い出しました。
そこにはかまどもあったので
青年は かまどに火をくべて小屋を蒸し温め、
土を広げて 瓶の蓋をあけたのでした。