その瞬間、
小屋全体が ぱぁっと白く光りました。
眩しくて目を瞑った青年が おそるおそる見開くと
そこには 金のきのこがいくつも生えていました。
「やぁ~お前さんはすごいなぁ。有難い、有難い」
金のきのこたちは、いつものえらそうな感じではなく、どこか穏やかな口調だったので
オリスは驚きました。
しばらくすると
グーっグーといびきが聞こえはじめました。
金のきのこたちはすっかりくたびれて眠りについたようでした。
青年は小屋の戸を静かに閉め、
さてこれからどうしたものか、と考えはじめました。
あたりはだんだんと日が沈み、
綺麗な夕焼け空が広がっていました。
青年は 小屋の裏にある山を登り、
その山から見える富士山を眺め、手を合わせました。
ここは 青年が 毎日 必ずやってくる祈りの場所 だったのです。