さぁ、オリスが町の役場で金のきのこの話をすると、もう大変。
ここからは、あなたもご存知のことです。
町の学者や外の町の人たちが
次々にジャングルへ押しかけ、我も我もときのこを狩りにきたのでした。
この騒々しさは想像異常で、オリスはもう、くたくたでした。
それでも 夜になると 人々は狩ったきのこをヤッタ、ヤッタと持ち帰り、
ジャングルの前にはすっかり静けさが戻りました。
よくあさ オリスが目を覚ますと、
家の前にたくさんの人がやってきていました。
よくみると、みんな昨日ここにやってきていた人ではありませんか。
彼らが口々に言うには、
狩ったきのこを持ち帰る途中、
南の町、東の町、ちょうど町のさかいへ差し掛かる頃に
きのこが溶けて無くなってしまったというのでした。
不思議なことだと思いましたが、
たしかに、これまで 金のきのこは町の外へ出ることはありませんでした。
町の外に出すことができない。
長寿の秘密をもった不思議な金のきのこに、
もう一つ、不思議なことが加わったのでした。