そのとき とつぜん、

ゴソゴソと青年がバックの中のボトルを取り出しました。

「どうしたんだい?」とオリスが聞くと、

「はじめて会った時、きのこに聞かれたんだ、」と青年が話しました。

なんでも、

む・・ん?

お前、俺の声が聞こえてるよな。

おれ様は知ってるんだぞ。

はて、お前のまわりに漂っている水が珍しい。

どんな水を飲んでるんだ?

こう、きのこに聞かれたそうなのでした。

青年が取り出したボトルには 水が入っていました。

聞くと、小包が届いたというのは

この水で、故郷の水だということなのでした。

♪♪ 

さいこう、さいこう、もう最高。

ずっとここだけがおれ様の住処かと思っていたら、

冒険に出られるかもしれない

さいこう、さいこう、もう最高。

このジャングルの雨も最高だけど

青年のもつ水も 見たことのない力、最高だ

さいこう、さいこう、もう最高。

青年の住む場所に 俺も連れて行ってくれないか

いろんな景色が見たいんだ

♪♪

金のきのこが こんな歌を歌ったと言うので

オリスは驚きました。

青年は、オリスが海に流したボトルを空にして

金のきのこのそばに置きました。

しばらくすると蓋をしました。

どうやら、きのこの精は入っていったようです。

神のきのこの物語

自然の恵みが与えた奇跡
長寿の町のジャングルの奥地に住む変わり者のオリスと海を越えてきてやってきた青年からはじまる「神のきのこ」の不思議なお話しです
Story22 画家になった少年と金の雫

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