手紙の最後に「オリス」と書いてあったことから、
青年は長寿の町に着いてすぐ、町の人に「オリス」について聞き回りました。この方法では時間がかかるかもしれないという心配はすぐに吹き飛びました。
オリスは、誰もが知る、ちょっと変わった人だったからでした。
ジャングルの近くに住み、いつも何かブツブツいいながら考えごとをしていているヒゲモジャの変わり者として有名だったのです。
青年がジャングルのそばにいくと、その風貌からすぐに彼がオリスだとわかりました。
オリスに近づいて歩き始めると、オリスもまた青年に気づき、はじめは警戒の目を向けていましたが 青年が持っていた手紙と瓶を見ると、ハッとして表情が緩んだのでした。
青年は、この町に向かう船の中で覚えたこの町の言葉をたどたどしく使いながらも、オリスに 自分の考えていた「長寿の理由」を話伝えました。
オリスは初めとても驚いた表情でしたが、
すぐにピンときた表情で、ジャングルの奥地を指差し、彼と一緒に森へ入って行きました。
”野菜の声が聴こえるなんて、”
森に入る前、オリスが一言、発した言葉でした。